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最初に気付いたのは、娘が4才になった頃だった。
子どもを遊ばせる有料施設に入れた際に、娘は
知らない赤ちゃんの頭を踏んだ。
恐怖で震えたが、本心はかくして娘に理由を聞いた。
すると
「忘れた」
と答えたのだ。
以降、娘の動向を監視する生活が続いた。
いつも「他人なんだから死んでも良いじゃん」と言う。
思いやりの心が微塵も無いのだ。
それからは戦いの日々だった。
療育を受けさせるためにあらゆる場所へ相談しにいった。
発達相談へもいった。
先生は、
「こんなにちゃんとした子は初めてですよ」
「しっかりしている」
と言う。
でも私の身体はDVでボロボロですとは言えなかった。
いつもそうだ。
後になって「私の悪口言ったでしょ」といいながらキレるのだ。
娘は私を監視している。
連絡帳にはなるべく難しい感じを使用して、子どもには読めないように書いてきたつもりだったが、娘には読めていたのだろう。
私の父の葬儀では、驚くほど美しい所作で正座し、両手を畳についてお辞儀をした。
誰が見てもびっくりするくらい礼儀正しい子なのだ。
頭も良い。
近所の土地勘がない私が渋滞に困っていると、「●●の看板の所を曲がる」と指示をくれる。
そうすると目的地に早く着くのだ。
いつの間にか道を記憶しているのだ。
道路標識などは私よりも正確に記憶している。
「ママがバカなんだよ」といわれるが、きっとそうだろう。
大きな病院でIQテストを受けさせた事があったのだが、思ったより低かった。
まともな頭だったと安心したが、1つだけ気になる点があった。
興味が無いテスト内容だったらやらない子なのだ。
確かに暗算などは不得意ではある。
だが、囲碁などはもう攻撃力だけなら私を上回る強さなのだ。
何かの戦いや、対人間、しかも相手を倒すゲームやテストだったらどんな結果だっただろうと思う。
うまく説明できないが、常に2,3手先を見据えた会話を常にする子供なのだ。
だから思い通りの返事が無いと相手を倒そうとする。
人間は狩りの対象なのだろうか。